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  • 仙石 太郎

知識創造プリンシプルの実践(賢慮の経営とは)

更新日:2021年12月24日


共著書「企業変革を牽引する新世代リーダー ダイナモ人を呼び起こせ」のなかで、私たちは人間中心の経営(Human Centered Management)を説きました。


工業化社会では、組織自体が一つの機械のように、ミスなく、無駄なく動くことが良いことだとされてきました。トラブルの原因追求を4M2S(Man, Machine, Material, Method, System, Structure)の視点で行うことからも分かるように、Manは外乱(Noise)要因の一つとされ、改善の対象なのです。ユニークな発想や自律的な行動は嫌われ、歯車のような均質な仕事ぶりが称賛されるのです。こうした名残が組織文化として色濃く残っている企業は少なくありません。


私たちが経営プリンシプルの大転換を勧める理由は、「人間中心の経営」の6要素の実践によって、亡霊のように離れない古い経営モデルと訣別できると考えるからです。


Perspective「視点」 20 世紀とは異なるモノの見方

  • 「利己主義」から「利他主義」へ

  • 「短期(実績主義)」から「長期(ビジョンに基づく自律性)」へ

失われた30年間の経営を超えて、新しい時代の経営を目指す姿勢を、具体的に示すことが求められています。


Purpose「目的」 創造を駆動する相互主観性

  • 「計画と実行」から「目的と実践(試行錯誤)」へ

  • 「情報処理のための組織」から「知識創造のための組織」

ナレッジワーカーを惹きつける組織は、パーパスドリブンです。目的に共感した彼らは、理想を目指して旅を開始し、降りかかる難題をクリアすべく、知を駆使します。


Passion「共感」 人間の感情、共感、主観の復権

  • 「論理分析」から「共感と相互主観性」へ

  • 「他者のストーリー」から「自ら物語るナラティブ」へ

なぜこれほどまでに共感が大切だとされるのでしょうか? 自らの眼で発見し、知覚したことが重要なインサイトとなり、ユニークなインサイトが共有され、共感の輪を広げることで、他者を引き込むストーリーへと発展するからではないでしょうか。


Place「場」組織図でない人間の場から構成される組織

  • 「階層型組織」から「有機的な『場』の組織」へ

  • 「同質性」から「認知多様性」へ

階層型組織とは、トップダウンで人を動かし、情報の吸い上げを行って、次の指示を出す統制命令型のヒエラルキー構造です。そこに新たな知識やアイデアが入り込む余地はほとんどありません。新結合を起こすには、多様な知が組織の境界を越えて水平に広がる有機的な場の創設が欠かせません。知の流通を活発化させるカギは相互に認め合い信頼関係を築くことです。


Prudence「賢慮」 実践的智慧とリーダーシップ

  • 「意思決定」から「実践的判断」へ

誤解を恐れずに言えば、平成の30年間で最も劣化したのはリーダーシップだと言わざるを得ません。これは偶然ではなく、自らプロデュースを行った経験を持たないリーダーが増えたことにあります。数字の裏付けを持たない未知の投資に判断を下せないからです。拠って立つところは、哲学に照らし合わせた判断基準であり、それが善いことかどうかという高次の直観力です。


Partnership 共創のための「協力」

  • 「自社中心」から「エコシステム主導」へ

一社単独のバリューチェーン・マネジメントの時代が終わろうとしています。これからは、より大きな関係性のなかで知を結合する必要があり、ビジネスエコシステムという考えが必要です。エコシステム(生態系)は、種の多様性、オープン・システム、アクター間の相互作用及びフィードバック、共進化、自然淘汰プロセス(適者生存)などの特性を持ち、絶えず変化するビジネスシステムです。





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